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価格転嫁・取引適正化に関する今後の取組について【経済産業省より】

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円滑な価格転嫁や下請取引の適正化は最重要課題の1つ

デフレから脱却し、賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指すには、価格転嫁と取引適正化が重要で、サプライチェーン全体でコスト増加分を公平に分担し、利益を共有することが事業の成長と競争力強化に役立ちます。

概要

  • 業界全体での自主点検と迅速な補償:
    • 業界全体で下請法違反がないか自主点検を行う。
    • 違反があった場合、受注企業の不利益を迅速に回復する。
    • 「自発的申出制度」を活用し、違反行為を公正取引委員会や中小企業庁に申し出る。
  • 下請法改正の周知と自主的対応:
    • 下請法改正案について、成立・施行前から業界内部で周知する。
    • 新たな規制対象事項について、各業界・企業が自主的に対応する。
  • 商慣習の見直し:
    • 無償サービス提供要請や手数料負担の押し付けなど、受注者の利益を損ねる商慣習を見直す。
    • 間接部門でも適正な契約が行われているか確認する。
  • 価格転嫁の周知啓発:
    • サプライチェーンの先まで価格転嫁が可能となるような価格決定を行う。
    • 価格転嫁の方針をサプライチェーン全体に伝えるため、セミナーなどを通じて情報発信を行う。
    • 適正な取引に向けて協議の場を持つよう啓発し、経営相談窓口の利用を促す。
  • 自主行動計画の策定と遵守:
    • 自主行動計画を策定した業界は、その遵守を呼びかける。
    • 価格転嫁を阻害する商慣習の一掃や「パートナーシップ構築宣言」の実施に向けて取り組む。
    • 未策定の業界は、自主行動計画の策定を検討する。
  • 労務費指針の遵守徹底:
    • 労務費指針の遵守を徹底し、業界内で改めて呼びかける。


全体像

  1. 下請法(下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号))違反がないか、業界全体での自主点検と、違反がある場合の迅速な不利益の補償や、「自発的申出制度」の活用
    下請法に違反するような不適正な取引がないか、業界全体で自主点検を行うこと。また、違反があった場合には、受注企業が被った不利益の迅速な回復を行うなどの改善措置を講じること。その際、下請法違反行為を行っていた発注企業が、公正取引委員会又は中小企業庁に対して違反行為を自発的に申し出る「自発的申出制度」も活用すること。
  2. 下請法の改正に関する検討状況の周知や、成立・施行前からの自主的な対応
    今国会に提出された下請法の改正案について、法案の成立・施行前から、各業界内部でよく周知するとともに、新たに規制の対象となる事項について、各業界・企業において自主的な対応を行うこと。
  3. 「無償サービスの提供要請」、「手数料負担の押し付け」など、受注者の利益を損ね、価格転嫁を阻害する商慣習の見直し
    受注者の利益を損ね、価格転嫁を阻害する商慣習が、業界全体で一掃されるよう、改善すべき商慣習の見直しを行うとともに、警備やビルメンテナンス、情報システムや物流等の間接部門でも、受注先のコスト上昇等を踏まえた適正な契約が行われているか、改めて確認すること。
  4. サプライチェーンの先まで価格転嫁が可能となるような価格決定及び価格転嫁に係る周知啓発
    最終製品やサービスを消費者に提供する、いわば「サプライチェーンの頂点」となる企業や業界においては、サプライチェーンの先まで価格転嫁を浸透させるよう、直接の取引先のさらに先まで、価格転嫁が可能となるような価格決定を行うこと。また、更に先への価格転嫁の予算確保も含め、価格転嫁の方針が、サプライチェーンの隅々まで伝わるよう、例えば取引階層の深いサプライヤーも参加するセミナーの実施などを通じて広く情報発信を行うこと。加えて、受注側及び発注側ともに適正な取引に向けて協議の場を持つよう啓発するなど、業界内の意識を喚起し、必要に応じて「よろず支援拠点」といった経営相談窓口などの積極的な利用を促すこと。
  5. 自主行動計画の策定や遵守、商慣習の見直し・パートナーシップ構築宣言を行う旨を盛り込むなどの改善
    自主行動計画を策定した業界におかれては、その遵守を業界内で呼びかけること。また、既述のような価格転嫁を阻害する商慣習の一掃及び「パートナーシップ構築宣言」の実施に向けて、引き続き、自主行動計画に基づく取組の充実や改善を図ること。なお、未策定の業界におかれては、自主行動計画の策定について検討を行うこと。
  6. 「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針(以下「労務費指針」という。)」の遵守徹底
    労務費指針の遵守を徹底し、業界内でも改めて呼びかけること。